見える安心、続く信頼

隣の家に伸びた枝は切っていい?名古屋で確認したい順番

越境した枝、名古屋で切る前に整理しておきたい確認順序

越境した枝は、隣へ出ているという見た目だけでは切ってよいかどうかを決められません。まず自分の木の枝なのか隣地の木の枝なのか、対象が枝なのか根なのかを分けたうえで、境界・所有と相手への確認を行い、法務省の資料にある条件を確認する必要があります。便利LABOは法律判断を行う立場ではないため、条件があいまいな場合は自分で切らずに、専門家へ相談する順番で整理していきます。特に名古屋市内の住宅密集地では隣家との境界が近く、剪定のタイミングを誤ると近隣関係に影響することもあるため、感情的な対応を避け、順を追って状況を整理することが大切です。

越境した枝は自分の木か隣地の木かを最初に分ける

隣の敷地との境目で枝が伸びているのを見つけたとき、多くの方が最初に気になるのは「切ってよいかどうか」だと思います。しかし判断の前に、その枝がどちらの木から伸びているのかを分けて確認しておく必要があります。自分の木の枝が隣地へ出ている場合と、隣地の木の枝が自分側へ出ている場合とでは、確認すべき相手も手順も異なるためです。この最初の切り分けを誤ると、後の手順すべてがずれてしまうため、面倒に感じても最初に丁寧に確認しておくことをおすすめします。

自分の木の枝が隣地へ出ている場合

自宅の敷地に植えてある木の枝が隣家側へ伸びている場合、その枝は自分の所有物にあたります。この場合は、隣地の方から「枝が越境している」と伝えられることが多く、まずは自分の木のどの部分が、どの程度隣地側へ入り込んでいるのかを自分の目で確認することから始まります。剪定の可否や時期、費用負担の考え方は、境界の位置や枝の太さ、樹種によっても変わってきます。隣地の方と話す前に、境界標の位置や枝の出所を写真などで記録しておくと、その後のやり取りがスムーズになりやすいです。自分の木である以上、対応の主体は基本的に自分側になりますが、具体的にどこまで切るか、費用をどう考えるかは、隣地の方の要望も踏まえて話し合う場面が出てきます。また、剪定を依頼する場合は、隣地側からの見た目だけでなく、自分の敷地内から見た木全体のバランスも踏まえて、どの枝をどの程度切るかを事業者と相談しておくと、隣地の方への説明もしやすくなります。剪定の時期についても、樹種によって適した季節が異なるため、急いで切る前に一度落ち着いて確認しておくとよいでしょう。

隣地の木の枝が自分側へ出ている場合

反対に、隣地に植えてある木の枝が自分の敷地側へ伸びてきている場合は、枝の所有者は隣地の方になります。このケースでは、越境している枝であっても、自分の判断だけで切ってよいとは言い切れません。後述するとおり、民法にはこうした場面に関する定めがありますが、原則としては竹木の所有者に切除を求めることが基本の流れとして位置づけられています。自分側へ張り出した枝が気になる場合は、まず隣地の所有者がどなたか、連絡先を確認できるかどうかを整理し、そのうえでどのように伝えるかを考えていく必要があります。感覚的に「越境しているのだから切ってしまってよいはずだ」と考えてしまうと、後々のトラブルにつながりやすくなります。この段階では「切ってよいかどうか」を判断するのではなく、「誰の木で、誰に確認すべきか」を整理することを優先します。連絡先が分からない場合は、町内会や自治会を通じて確認できることもありますし、登記情報から所有者を調べる方法もあります。いずれにしても、いきなり枝を切ってしまうのではなく、まずは所有者へ状況を伝え、切除をお願いするところから始めることが、後々のトラブルを避けるうえでも重要です。

枝と根は同じ扱いにせず法務省資料で確認する

越境しているものが「枝」なのか「根」なのかも、切る前に分けておきたいポイントです。民法233条では、竹木の枝と根について異なる扱いが定められているとされており、同じ越境でも根拠となる考え方が変わってきます。見た目には同じように越境しているように見えても、根拠となる条文や考え方が異なるため、対象を混同したまま対応を進めてしまうと、後で確認し直す手間が生じることもあります。ここでは法務省の資料を踏まえながら、それぞれの位置づけを慎重に確認していきます。

枝は原則と例外条件を分けて読む

隣地から伸びてきた枝については、民法上、まず竹木の所有者に切り取ってもらうことが原則とされています。越境されている土地の所有者が自分の判断だけで切ってよいとされているわけではなく、一定の条件を満たす場合に限って、自ら切り取ることができるとされています。この「原則」と「条件を満たした場合の例外」を分けずに、「越境している枝だから切ってよい」と一括りに理解してしまうと、実際の状況と食い違う可能性があります。実務上は、まず竹木の所有者へ連絡を取り、状況を説明したうえで切除をお願いする、という順序を踏むことになります。この最初の連絡と依頼の記録が、後で条件を確認する際の重要な材料になるため、口頭だけで済ませずに、書面やメッセージなど形に残る方法で伝えておくことをおすすめします。どのような条件が定められているかは、後の見出しで法務省の資料をもとに確認していきます。

根は枝の条件をそのまま当てはめない

一方、隣地の竹木の根が越境している場合については、枝とは異なる扱いが民法上定められているとされています。根の越境は、枝の越境に関する条件をそのまま当てはめて考えるものではないため、「枝について確認した条件だから、根にもそのまま使える」と判断してしまうのは避けたいところです。竹木の根が自分の敷地内に伸びてきている場合にどのように対応できるかは、枝の場合とは別の考え方に基づくとされています。根の越境については、枝のように相手への催告や条件の充足を待たずに対応できる場面があるとされていますが、具体的にどこまで自分で対応してよいかは、状況によって異なります。判断に迷う場合は、根であっても自己判断だけで進めず、必要に応じて専門家へ確認しておくと安心です。対象が根であることが分かった時点で、枝の場合とは切り分けて確認する意識を持つことが大切です。

切る前に境界・所有・連絡記録をそろえる

枝なのか根なのか、自分の木なのか隣地の木なのかを整理できたら、次に行いたいのが実務上の準備です。境界の位置、枝の出所、所有者の情報、そして相手とのやり取りの記録をそろえておくことで、後から状況を振り返りやすくなり、専門家へ相談する場合にも状況を伝えやすくなります。

境界と枝の出所を写真で共有する

まず行いたいのが、境界標の位置と、枝がどこから伸びてどこまで越境しているのかを、写真として記録しておくことです。境界標が現地にある場合は、その位置と枝の付け根、越境している範囲が分かるように、少し離れた場所から全体を撮影しておきましょう。そうしておくと、後から見返したときにも状況を把握しやすくなります。撮影する際は、境界標だけでなく、越境している枝の高さや太さが分かるように、メジャーなど比較できるものを一緒に写しておくと、後から状況を説明する際にも伝わりやすくなります。日付が分かるように撮影しておくことも、記録としての信頼性を高めるうえで有効です。境界がはっきりしない、境界標が見当たらないといった場合は、この段階で自己判断せず、必要に応じて土地家屋調査士など境界に関する専門家へ相談することも検討したい選択肢です。写真は、隣地の方へ状況を説明する際にも、専門家へ相談する際にも共通して使える材料になります。

相手への連絡と回答を記録する

境界と枝の状況を確認できたら、隣地の方へ連絡を取り、状況を伝えて対応を相談する段階に進みます。連絡した日時、伝えた内容、相手からの回答をメモや書面として残しておくと、後日「言った・言わない」の食い違いを避けやすくなります。連絡方法は、直接お会いして話す場合もあれば、書面やメール、管理会社を通じて伝える場合もあります。どの方法であっても、伝えた内容と相手の反応をできるだけ具体的に記録しておくことが、後々の確認をスムーズにするポイントです。特に、隣地の所有者に切除をお願いした場合は、いつ連絡したか、相手からどのような返答があったか、あるいは返答がなかったかを記録しておきましょう。この記録は、後述する条件を確認するうえでも重要な材料になります。連絡がつかない、返答がない、といった状況が続く場合も、感情的に自己判断で切ってしまうのではなく、まずは記録を積み重ねながら次の確認に進む姿勢が大切です。

2023年施行の民法改正は一定の条件を具体化した

このテーマについては、以前公開した空き家・空き地の管理責任を扱う記事でも、2023年の民法改正によって「一定の条件」が定められたことに触れています。管理責任がなくなったわけではないという前提は変わりませんが、本記事ではその「一定の条件」がどのような内容として整理されているのかを、法務省の資料をもとにもう一歩踏み込んで確認していきます。この改正によって、越境された土地の所有者が自ら対応できる場面が明確になった一方で、原則として竹木の所有者に切除を求めるという基本の考え方自体は変わっていません。順序を誤らないよう、まずは原則を確認しておきましょう。

まず竹木所有者へ切除を求める原則を確認する

改正後の民法233条においても、越境した竹木の枝についての基本的な考え方は、竹木の所有者に枝を切り取ってもらうことが原則とされています。越境されている土地の所有者が、いきなり自分の判断で切ってよいという位置づけではなく、まずは竹木の所有者へ切除を求めることが出発点になります。この原則を踏まえたうえで、次に説明する条件のいずれかに当てはまる場合に限り、越境された土地の所有者が自ら枝を切り取ることができるとされています。

自ら切除できるとされる3条件を資料で確認する

民法233条の条文(e-Gov法令検索)では、越境された土地の所有者が自ら枝を切り取ることができる場面として、大きく3つの条件が説明されています。

  • 竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、相当の期間内に切除がされないこと
  • 竹木の所有者を知ることができない、または竹木の所有者の所在を知ることができないこと
  • 急迫の事情があること

たとえば、竹木の所有者へ切除をお願いしたものの、連絡してから一定期間が過ぎても対応がない場合は、1つ目の条件に該当する可能性があります。所有者に何度連絡しても応答がなく、登記情報などを確認しても所在が分からない場合は、2つ目の条件に近づきます。台風などで枝が折れかかっている、倒木の危険が迫っているといった状況は、3つ目の急迫の事情に関わってくる場面です。これらはいずれも「そう思えるから該当する」と自分だけで判断するのではなく、状況ごとに資料の内容と照らし合わせて確認したい条件です。どの条件に当てはまるか判断が難しい場合や、隣地の方との話し合いが進まない場合は、この段階で専門家へ相談することを検討したい場面といえます。これらの条件の詳細は、民法233条の条文本文で確認できます。

判断が難しいときは法律相談と作業相談を分ける

ここまで確認してきた境界・所有・条件の整理を踏まえても、実際にどう対応すればよいか判断に迷う場面は少なくありません。そうしたときに整理しておきたいのは、「法的にどう判断されるか」を相談する窓口と、「実際の剪定作業をどう進めるか」を相談する窓口を分けて考えるという点です。越境した枝がどの条件に当てはまるか、隣地の方との話し合いがまとまらない、境界そのものがはっきりしないといった内容は、弁護士や司法書士、土地家屋調査士など、それぞれの分野の専門家に相談する範囲になります。一方で、実際に高い場所の枝を安全に切る、太い枝を処分する、といった作業そのものの可否や進め方については、剪定や伐採を扱う事業者に相談する範囲になります。どちらに相談すればよいか判断に迷う場合は、まず法テラスなど公的な相談窓口を利用し、法的な整理を進めながら、剪定作業については別途事業者へ相談する流れを取ることもできます。

便利LABOは、こうした剪定・伐採に関する作業のご相談をお受けする立場ではありますが、越境した枝が法的にどの条件に該当するかといった法律判断を行う立場ではありません。境界や所有、条件があいまいなまま作業のご依頼をいただいた場合も、まずは法的な整理を先に済ませていただくことをお願いする場面があります。「切ってよいかどうか」の判断と、「どう切るか」という作業の相談は、別の窓口に分けて進めていただくことが、結果的にトラブルを避けることにつながります。

フェンス際の草刈りは境界確認を扱う別記事に委ねる

名古屋の戸建てにお住まいの方の中には、隣地との境界付近で、枝だけでなく雑草の越境も気になっているという方もいらっしゃると思います。境界に近い場所の草刈りについては、フェンス際の草刈りで境界を確認する記事で、境界の確認方法を中心に扱っています。ただし、その記事はあくまで草の越境と境界確認を扱ったものであり、枝の切除に関する確認順や、民法233条の条件については扱っていません。草と枝は、越境の対象としては似た場面で語られることもありますが、確認すべき手順や根拠となる考え方は異なります。境界に関する確認は、枝であっても草であっても共通して重要な土台になりますので、まずは境界がどこにあるかをはっきりさせたうえで、それぞれのテーマに応じた記事を参考にしていただくと、状況を整理しやすくなります。フェンス際の雑草が気になる場合は境界確認を中心とした記事を、隣家へ伸びた枝が気になる場合は本記事の確認順を、それぞれ参考にしていただくことで、対象を混同せずに整理を進めやすくなります。

まとめ|4工程を確認してから切るか相談するか決める

隣地との境界に伸びた枝が気になったとき、見た目だけで「切ってよい」「切ってはいけない」と判断してしまうと、後々のトラブルにつながりかねません。ここまで確認してきた内容を、切る前に確認しておきたい4つの工程として整理します。

越境枝を切る前の4工程
工程 確認すること 次の行動
1. 枝の出所を分ける 自分の木か隣地の木か 所有関係を確認する
2. 対象を分ける 枝か根か 適用される考え方を分ける
3. 境界・所有と相手への確認を行う 写真と連絡記録を残す やり取りを記録として保管する
4. 法務省資料の条件を確認する 3条件のいずれかに当てはまるか 不明・紛争時は専門家へ相談する

これらの4工程は、いずれも省略せずに順番通り確認していただきたい内容です。特に4つ目の条件確認は、法務省の資料に基づいて慎重に判断すべき部分であり、催告後の相当期間、所有者・所在の不明、急迫の事情のいずれに該当するかは、状況によって判断が分かれやすいところです。自分の木か隣地の木か、枝か根かを混同したまま話を進めてしまうと、隣地の方との話し合いも噛み合いにくくなります。境界標の位置や枝の出所を写真で残し、相手とのやり取りを記録しながら、条件に当てはまるかどうかを法務省の資料と照らし合わせて確認する。それでも判断が難しい場合や、隣地の方との話し合いがまとまらない場合は、自己判断で切ってしまう前に、法律に関する専門家へ相談することをおすすめします。実際の剪定作業についてご相談いただく際も、境界や所有、条件の整理が済んだ状態でご相談いただくことで、スムーズに進めやすくなります。これから隣家に伸びた枝の対応を検討される方は、まず本記事の4工程に沿って状況を整理し、どの段階で専門家への相談が必要になりそうかを早めに把握しておくと、いざというときにも落ち着いて対応しやすくなります。

境界や所有、条件の確認が絡み合う越境枝の対応は、判断に迷う場面も少なくありません。状況を整理しながら進め方を相談したい方は、お気軽にご連絡ください。

#260
トップへ戻る